• 2010-02-28 23:59:02
  • 感覚を遊ぶ -マイケル・ジャクソン永遠の輝き 編-
昨年の夏に世界中で大きな衝撃が走りました。
マイケル・ジャクソンの急逝。
彼の歌はインターネット上でも流れ続け、今やいつでもどこでも聞ける状態にあります。
それなのに、なぜ開催間近だったワールドツアーのチケットが完売したのでしょうか?
今回は今でも輝き続けるマイケル・ジャクソンの魅力について“this is it”から見ていきたいと思います!

* * * * * *

文字とおりの「幻」となってしまったコンサート“This is it”。
私たちは残されたコンサートのメイキング映像でしか本物を想像するしかできませんが、
これを観ているとマイケル・ジャクソンがなぜ熱狂的な興奮と感動を観客に与えていたのか垣間見ることができます。

たとえば、“Human Nature”では、リハーサルを通してスタッフと、歌が創り出す余韻について試行錯誤が繰り広げられています。
そこでは、ステージ上の余計な派手さは抑え、観客の心をつかんだ「間」を探っているかのようです。
甘く透き通った声は少年のようでもあり、人生を送ってきた人間の深さを感じることができるかと思います。

“They don’t care about us” では10人のダンサーを無限に登場させるCGとその中から現れるマイケル・ジャクソンの演出。
“Smooth Criminal”や“Earth Song”などで取り入れられている歌と映像の統合。
“Thriller”のゾンビたちの特殊メイク。
20年ほど前に行われた「ライブ・イン・ブカレスト」当時から進化した視覚的な冒険が注ぎ込まれています。

また、“Jam”でのダンサーを携えてムチを振り回すようなシーンがあります。
ダンサーたちはマイケル・ジャクソンの後ろに控え、彼と一体になって踊ります。
彼らは世界中のダンサーの中から選ばれた一流の才能です。
映像ではマイケル・ジャクソンの動き、声、曲、照明、本番に起こるであろう観客の動きなどを意識しながら、その世界観を表現する最適な一瞬が収められています。

「キング・オブ・ポップ」
「パフォーマーの象徴」
「現代最高のエンターテイナーの一人」
「完全主義者」
マイケル・ジャクソンを形容する言葉は様々ですが、
それは歌という領域を超えてファンの望みや希望を叶えようとしてきた証拠ではないでしょうか?

映像からでは耳からの音、目からのステージの様子などしか十分に感じ取ることはできませんが、
そこで歌い踊る生身の人間を目の当たりできたなら、私たちはその人々と一体になり、その息遣い、汗の感触、群集の熱気の匂いを体いっぱいに感じることができたでしょう。
それは、聴覚だけにとどまらない、私たちが持っている様々な感覚をフル回転させるような経験を、感動を伴って私たちに与えてくれたということではないかと思います。

感動とはとても深く複雑なもの。
歌声を百色にも自由に操ることができ、一流のダンスを魅せる彼ですが、
感動を与えるようなコンサートはシンガー、ダンサー、プロデューサー、衣装・映像・舞台のクリエーター、そして観客がいなくては創ることができないものです。
マイケル・ジャクソンは繰り返しスタッフやファンに“I love you”と語りかけています。
それは様々な人たちの協力のもとで、しかるべき場所にしかるべきタイミングでしかるべき要素を入れ込むことで、
初めて感動を巻き起こせることだと、彼自身がよく知っているからなのではないでしょうか。

彼の目指したものは、歌を超えた人とのつながりにおける感動体験だと言えるでしょう。
それは目や耳や手や鼻や口や皮膚などから感じる個々の感覚を研ぎ澄ますことで、より近づけるものです。
しかしそれらを統合する「こころ」の豊かさなしでは、感動は得られません。
マイケル・ジャクソンの魅力とは、エンタテイメントという形をとりながら
私たちの個々の感覚を研ぎ澄ませると同時に、「こころ」にうったえかけるを感動を私たちに見せてくれるところに、あるのではないでしょうか。

* * * * * *

マイケル・ジャクソンはまさに時代を超えて輝き続けるでしょう。
この感動をいつまでも忘れずにいたいものです。

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  • 2010-02-22 11:49:19
  • 感覚を遊ぶ –3Dと「見る」こと 編-
映画の劇場公開も大ヒットを収め、作品そのものと同じくらい注目を集めている3D映像。
通常料金よりちょっと割高な料金にも関わらず、映画館ではスクリーンあたりの入場者数が2Dよりも3Dの方が圧倒的に人気なのだそうです。
3Dで公開される作品が続々と登場したり、今秋には家庭用の3Dテレビも発売されたりするなど、今年は3Dイヤーとなりそうです。

* * * * * *

3D映像は、私たちの「思い込み」を巧みに利用して立体的にものを見せています。
私たちは右目と左目を使ってものを見ていますが、
片目ずつでものを見るとわかるように、それぞれちょっと見える角度が違います。
スクリーンでは右目用と左目用でちょっとずれた映像を重ねて1枚にしていますが、
それを特殊なメガネをかけて、右目用・左目用に作った映像をそれぞれの目で見せるようにするのです。
脳で2枚の画像を1枚に合わせることが現実の世界に対して脳がやっていることと同じなので、リアルだと思い込んでしまうのです。

その臨場感はまさに想像以上!
映像がくるくると回転すれば、映像ではなくて自分自身が回っているような感覚に襲われるほど映像の世界に入り込んでしまいます。

さて、3D映像はものが立体的に見えますが、それだけではないようです。
2Dに1次元プラスされることで映像と観客の距離がぐっと縮まる効果もあるように思います。
つまり、「見る」から自分がその場に身を置いて、
その出来事を「体験」しているような感覚に浸ることができる、というわけです。
今後は参加型映像体験として、
3D表現によって人がどのように感じるのかという効果を活かして、
観客のいる空間まで含めた新しい表現を楽しむことが増えていくのでしょうね。

そもそも、映画に限らず物語を味わうということは、他者の人生を疑似体験すること。
登場人物の目となり耳となってストーリーを体験していき、
自分以外の他者の内面に深く入り込むことです。

そう考えると、現在大ヒットしている公開中の映画が成功したのは、
見た目のリアルさだけではなくてやはりそこには感覚を越えて物語が与える心の揺さぶりがあるからだとわかります。

その証拠に、目を見張るような鮮明で美しい景色の他に“I see you.”というセリフがある重要なシーンで感動した人もたくさんいるはず!
「見る」ことがテーマの作品だからこそ「あなたが見える」と物語のクライマックスで言わせたのには、大きな意味があるでしょう。

「見る」ことは物事を知るのに確かに重要です。
でも,その先には必ず相手の「心」が存在します。
これは「見る」ことは外見ではなく、
むしろ内面を見る、心を見る、感じる、感じ合う、つながる、わかる、理解しあう、ということなのだ、という制作者のメッセージではないでしょうか?

言語は違いますが、心のつながりを感じ取れるかどうかが、
もっと大切なのだという映画のメッセージは、
世界中の観客が同じように受け取ったのかもしれません。

* * * * * *

見るということは、
もっとも手っ取り早く物事を知ることには違いありませんが、
“I see you.”と言うには、
目ではなく心を開くことなのです。

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  • 2010-02-14 20:56:38
  • 感覚を遊ぶ -チョコレートは変わった? 編-
今日はバレンタインデーですね!
毎年ささやかれるバレンタインデーの傾向。
今年は去年に引き続き高級チョコレートが人気ですが、
日曜日ということもあって、手作り派の勢いもあなどれません。
今回はチョコレートの変化についてのお話です。

* * * * * *

デパートやショッピングセンター、製菓コーナーなど、
今年のチョコレートコーナーも去年に負けないくらい大変な盛況ぶりです。
デパートの特設フロアには世界各地の名店や老舗チョコレートが所狭しと並べられていますが、
こうした高級チョコレートはカカオの産地や配合の違いによる味や風味、
多種多様な材料の組み合せ、センスの良いラッピング、
ショコラティエのこだわりなどを、
試食も兼ねて!じっくりと吟味する楽しみがありますよね。

言ってみれば、こうしたチョコレートははかなくも美しい工芸品。
口元へ運んでしまえば、一瞬にして消えてしまうもの。
けれど、その一瞬のために色や形なテクスチャーなどの見た目や、
香り、口どけ、触感、静かに溶けていくときの音など、
繊細な味わいが最大限に表現されています。
だからこそ、とっておきの贅沢のひとつとも言えるひとときです。

チョコレートの余韻もゆっくり味わう楽しみ方は、
アンテナの感度が高い大人たちにすっかり定着してきたのですね。

一方、今年のバレンタインデーは日曜日ということもあって、
お家で手作り派も多いのではないでしょうか?
製菓コーナーを彩っているのは、色とりどりのデコレーショングッズ。
キラキラ&カラフルなチョコレートや砂糖、パウダー状のナッツ類、
サイコロ状のドライフルーツなど、賑やかなものばかりです。
それにマカロンやギモーヴなど、
ちょっとオシャレなお菓子も簡単に手作りできるキットも人気なのだとか。
ファッションやネイルアートなどに通じる華やかなデコレーションが興味深いものです。
試しに製菓コーナーを覗いてみたのですが…品定めをするたくさんの若い女性の姿は真剣そのもの!
週末、自分でまたは家族とともに手作りする楽しさを味わうのが今年のもうひとつの特徴のようです。

高級チョコレートとお家で手作りチョコレート。
これらは今年ならではのバレンタインの2大傾向のようです。
それは「変わるチョコレート」、「変わらないチョコレート」の狭間で動く,時代の価値観と言えるかもしれません。

感覚に注意して見てみると、
ショコラティエのチョコレートそのものは、
トレンドとは別の変化をしているのがわかります。
よく見れば、チョコレートは至ってシンプルか、
チョコレートそのものの質感が損なわれないように常に配慮されています。
毎年違うように見えるのは、パッケージの効果ということもあるのでは?
パッケージもリボンのあしらいとか包み方とか、
細かなバリエーションの違いが印象を変えているということも少なくありません。

一方で、ショコラティエのあくなき挑戦は常に変化しています。
たとえば、1ミリの形や厚さの違い、1%の素材の配合など、
そのときどきによって微妙に変わり続けています。

そもそも、彼らの理想や「らしさ」は唯一無二であり、
そこに至るまでに試行錯誤を重ねてきたからこそ、
簡単には変化しないのではないでしょうか…。

本物のショコラティエのチョコレートは変化するものであり、変化しないもの。
それはトレンドとは別の呼吸をしています。
チョコレートが変わったのではなく、時代の価値観がチョコレートの在り方を変えたのでしょう。

* * * * * *

見た目(視覚)は、大きな変化を捉えることが出来ますが、
本当の変化は、目に見えないこともあります。
チョコレートを味わうときのように、
他の感覚を使ってはじめてわかるものかもしれません!

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  • 2010-02-07 22:13:29
  • 感覚を遊ぶ -なつかしさを嗅ぐ 編-
乗り物に乗っているとき、お店の前を通ったとき、何気ない日常の一コマの中で、昔嗅いだことのある香りに再び出会うことがあります。
香りを嗅いだ瞬間、当時の記憶を一瞬にして思い出すことはないでしょうか?

* * * * * *

この香りと記憶のつながりをプルースト現象と言います。
フランスの作家、マルセル・プルーストの作品の中で主人公がマドレーヌを紅茶に浸し、その香りからまざまざと幼年時代を思い出す描写があります。これがモチーフになって、プルースト現象と名づけられました。

香りは目に見えないので普段は意識しないことが多いのかもしれませんが、その感度は私たちが思っているよりもずっとずっと敏感なのです。
私たちが香りを受け取るセンサーは、実は1000種類もあります。
目が光の情報を受け取るセンサーは、赤、青、緑と明暗の4種類。
味は甘い、辛い、すっぱい、苦い、旨いの約5種類。
皮膚の触覚も5種類くらい。
それらを比べると、香りのセンサーはびっくりするくらい多いのです。

そもそも、香りを「嗅ぐ」という感覚は、五感の中でも特殊な能力です。
見る、聞く、味わう、触るという感覚は、
脳の視床という部分を通って大脳皮質に向かうのですが、
嗅覚だけは他のどこも経由せず、大脳に直結しているのです。
大脳には情動に関係している脳の部分。
思い出のある香水を嗅ぐと、大脳も活性化するのに対し、
初めて嗅ぐ香水では活性化しないという脳神経学からの報告もあります。

脳のメカニズムはまだまだ謎が多いのですが、
こんなふうに香りが私たちの記憶や感情と深い関係にあることはとても興味深いと思いませんか?
香りによって当時にタイムスリップしてしまうとき、
なんとも言えない当時のままの感情や「なつかしさ」が胸に込み上げてくることも少なくないはず。
視覚や触覚など香り以外の刺激は10代の記憶を思い出させることが多く、
嗅覚の場合は、それ以前の幼いころの記憶まで思い出すことが珍しくないそうです。

香りは、遠い記憶を緩やかに呼び起こす鍵の役目を持っているのですね。

現在、化粧品や家庭用洗剤など、香りを扱うメーカーはこうした私たちの感情と香りについて研究を進めています。
「なつかしさ」や「憧れ」のような感情は、人によって様々ではありますが、
たとえば、レトロな街並みが初めて見る人にもなつかしさを運んでくれるように、初めて嗅ぐ香りにも、誰もが共通して感じるなつかしさがあるのかもしれません。
色々な場面で人の気持ちを支えてくれる香りの魅力は、ますます注目されていくでしょう。

* * * * * *

「なつかしい」香り。
季節、食べ物、肌のぬくもり…
私たちが幼い頃に辿ってきた経験は、香りとともに甦ってくることが多いのに気づくでしょう。

あなたにとってのなつかしい香りは、どんな香りですか?

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  • 2010-01-31 22:01:56
  • 感覚を遊ぶ -一見は一触にしかず? 編-
私たちの身の回りには、圧倒的に視覚に関する情報に満ちあふれています。
視覚は私たちの内面に関係がありますが、他の感覚も心や感情と密接に関わっています。
今日は、その中の一つ、触覚についてのお話です。

* * * * * *

「肌が合う」、「肌を合わせる」、「一肌脱ぐ」など、肌に関連することばには、私たちの気持ちまで表現するものが多く含まれています。
今ではたいていの物はインターネットでショッピングできますが、いざ届いてみたら、思っていたものと違った!というときには、製品の素材感やしつらえなども関係しているのではないでしょうか。
やっぱり直に触れてみた方が、ものの微妙な違いがよくわかると思います。
視覚は「広く浅く」情報を収集することができるのに対して、
触覚は、(手が届く範囲に限られますが)皮膚からの刺激を通して「深く」世界を実感することができるのです。

触覚は原始的な感覚とも言われますが、クセになるのも触覚。
動物の毛やシルクなど触り心地がよいものはずっと触っていたい!という人もいるのではないでしょうか?

触ることは、ほかにも私たちの気持ちを伝え合うことに大きな役割を果たします。

たとえば、軽く肩を叩く動作。
「ちょっとすみません」の呼びかけなのか、「頑張ってね」の励ましなのか、もちろん状況判断をした上ですが、叩き方一つをとっても私たちは微妙な違いを使い分けたり、感じ取ったりしています。
手だけでなく、体全体は触覚のセンサーなのです。
そんな体にもっとも近いセンサーだからこそ、私たちの思いまで伝え合うことができるのでしょう。

赤ちゃんはお母さんとたくさん触れることで、良好な絆を深めていきますが、触れることは直に愛情を感じることにつながります。
また、人は誰かを好きになるとその人の体に触りたくなるもの。
それは相手のことをもっと知りたいと思うだけではなく、相手の気持ちを確かめ、自分の思いを伝えたいと思うからなのかもしれません。

* * * * * *

触感を繰り返し体験していくことで、ゆっくりと、でもしっかりと、
その違いを感じ分けることができるようになっていきます。
その繊細な感覚が、豊かな感情へとつながっていきます。
触覚は外の世界と心の境目にある感覚。
世界を知り、確かめ、実感し、魅了し、伝え合うことは皮膚とともにあるのです。


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