• 2010-03-23 16:52:14
  • コーヒーショップと外来種
これは、ある地方都市の小さな街のお話。
そこにアメリカのコーヒーショップがやってくるとわかったとき、一部の地元住民は猛反対しました。
その街は古くから個人経営の喫茶店やカフェが多い場所。
休日になればどこの店もお客さんでいっぱいになっていました。
地元住民は小さな店が打撃を受けて潰れてしまうと声を挙げましたが、結局、計画通りにそのコーヒーショップは大通りにオープンしたのです。

* * * * * *

ゆったりめで開放的な空間に、ジャズが流れ、適度なざわめき。
大通りは華やかになり、一層にぎわうようになりました。
明るく元気な店員の声。
お客は席を探し、列に並びます。
カウンターで店員と簡単なやり取りをしてから、飲み物を受け取ります。
おしゃれ、清潔、白い、茶色い、ゆったり、間接照明…
多くの人にとっての、カフェといえば○○という頭の中のイメージを作り上げたのは、このコーヒーショップの影響があるかもしれません。
合理的、便利、でも多くのお客が満足するように、すべてが平均点のサービスと言えないでしょうか?
よく見れば、提供してくれるおしゃれなムード、サービス、味、居心地は、同じチェーンの他の店舗と一緒。
お客の行動も一緒。
以前にあったその街らしさが薄れてしまい、どこかで見たような他の街並みと変わらなくなってしまいました。
しかも、他のいくつかのコーヒーショップやファストフード店は、このコーヒーショップの概観を模倣するように、どんどん近づいていっています。

街はいろいろな機能を持った豊かな個性の集合体です。
それぞれが環境の中でバランスをとりながら共存してきました。
その街にはこれまで育んできた文化があったはずです。
ところが、その中に入り込んだ外来種によって街の生態系のバランスが崩れつつあります。
以前から生物界で外来種の問題が多く取り上げられてきましたが、
人間の世界でも外来種はある場所では在来種を食い物にし、急速に繁殖を繰り返しています。
それでも一度入ってきた外来種を力ずくで駆除することはできません。
そんなことをすれば、返って街のバランスを崩し、在来種もいなくなってしまうからです。

その一軒のコーヒーショップは、人々の流れを、その街のあり方を大きく変えました。
この街でも必要以上に感じない、考えなくても、私たちは気軽にコーヒーを手に入れることができるようになりました。
このことは、本当は莫大なお金と時間が必要な、とても深刻な問題を映し出しているのかもしれません。

街全体に平均点が広がっている隙間で、独自の個性を持った喫茶店が今も細々と生きています。
そのことに気づいた一部の人間が街を憂い、今も小さな反抗を続けています。

* * * * * *

coffeshop.png

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