• 2010-02-22 11:49:19
  • 感覚を遊ぶ –3Dと「見る」こと 編-
映画の劇場公開も大ヒットを収め、作品そのものと同じくらい注目を集めている3D映像。
通常料金よりちょっと割高な料金にも関わらず、映画館ではスクリーンあたりの入場者数が2Dよりも3Dの方が圧倒的に人気なのだそうです。
3Dで公開される作品が続々と登場したり、今秋には家庭用の3Dテレビも発売されたりするなど、今年は3Dイヤーとなりそうです。

* * * * * *

3D映像は、私たちの「思い込み」を巧みに利用して立体的にものを見せています。
私たちは右目と左目を使ってものを見ていますが、
片目ずつでものを見るとわかるように、それぞれちょっと見える角度が違います。
スクリーンでは右目用と左目用でちょっとずれた映像を重ねて1枚にしていますが、
それを特殊なメガネをかけて、右目用・左目用に作った映像をそれぞれの目で見せるようにするのです。
脳で2枚の画像を1枚に合わせることが現実の世界に対して脳がやっていることと同じなので、リアルだと思い込んでしまうのです。

その臨場感はまさに想像以上!
映像がくるくると回転すれば、映像ではなくて自分自身が回っているような感覚に襲われるほど映像の世界に入り込んでしまいます。

さて、3D映像はものが立体的に見えますが、それだけではないようです。
2Dに1次元プラスされることで映像と観客の距離がぐっと縮まる効果もあるように思います。
つまり、「見る」から自分がその場に身を置いて、
その出来事を「体験」しているような感覚に浸ることができる、というわけです。
今後は参加型映像体験として、
3D表現によって人がどのように感じるのかという効果を活かして、
観客のいる空間まで含めた新しい表現を楽しむことが増えていくのでしょうね。

そもそも、映画に限らず物語を味わうということは、他者の人生を疑似体験すること。
登場人物の目となり耳となってストーリーを体験していき、
自分以外の他者の内面に深く入り込むことです。

そう考えると、現在大ヒットしている公開中の映画が成功したのは、
見た目のリアルさだけではなくてやはりそこには感覚を越えて物語が与える心の揺さぶりがあるからだとわかります。

その証拠に、目を見張るような鮮明で美しい景色の他に“I see you.”というセリフがある重要なシーンで感動した人もたくさんいるはず!
「見る」ことがテーマの作品だからこそ「あなたが見える」と物語のクライマックスで言わせたのには、大きな意味があるでしょう。

「見る」ことは物事を知るのに確かに重要です。
でも,その先には必ず相手の「心」が存在します。
これは「見る」ことは外見ではなく、
むしろ内面を見る、心を見る、感じる、感じ合う、つながる、わかる、理解しあう、ということなのだ、という制作者のメッセージではないでしょうか?

言語は違いますが、心のつながりを感じ取れるかどうかが、
もっと大切なのだという映画のメッセージは、
世界中の観客が同じように受け取ったのかもしれません。

* * * * * *

見るということは、
もっとも手っ取り早く物事を知ることには違いありませんが、
“I see you.”と言うには、
目ではなく心を開くことなのです。

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