• 2009-12-06 23:37:02
  • シアワセを味わうお菓子の世界 -成長するお菓子!? シュトレン 編-
ドイツではクリスマスと言えば、シュトレンと言えるほど一般的な食べ物。
シュトレンはブランデーやラム酒などに浸けておいたドライフルーツやナッツを、たっぷりのバターと一緒に練りこんで焼いた細長いお菓子です。
もともとザクセン州の州都、ドレスデンの郷土のお菓子でしたが、今ではドイツを代表するお菓子として、クリスマス時期になるとドイツ中のケーキ屋さんやパン屋さんで焼かれています。

* * * * * *

■ドイツのクリスマスケーキ シュトレン
クリスマスを待つ4週間の期間である、アドヴェントの各週末に、イエス・キリストの生誕の日が近づいてくるというお祝いをしますが、そのときに欠かせないのがこのシュトレンです。
各家々や地方によっても違うのですが、クリスマス時期に会合や集まり、来客などがあるとシュトレンを少しずつ切ってみんなで食べます。
この習慣は、高価な材料があまり手に入らず、クリスマスという特別な時にだけ食べられる貴重なお菓子だった頃から続いているそう。

シュトレンとは、もともと坑道や地下道の意味で、トンネルの形に似ているからこの名がついたと言われています。
また、真っ白でふかふかの粉砂糖に覆われた外観は、幼子イエスを包む産着に見立てられることも多いようです。
見た目はとても素朴ですが、どっしりとした存在感のある味わいは、やみつきになってしまうほどです。

■シュトレンの種類
日本ではパンのようなパサパサしたシュトレンをよく見かけますが、シュトレンと一口に言ってもたくさんの種類があり、材料の配合や調理の手順などで味も食感もまったく違います。
家庭ごと、お店ごとにそれぞれの美味しいシュトレンがあるのです。
しかもドイツの伝統的なお菓子だけあって、その分量や呼称に法律で決められているほど!

たとえば、一般的に呼ばれている名称の基本のシュトレンは、「クリストシュトレン(Christstollen)」と呼ばれます。
これは小麦粉100%に対し、バター(82%以上のバター) が最低30-50%の分量含まれているもの、または、純正バター(バター100%)が最低24.6%、マーガリンでは30.75%の脂肪分が含まれているもの、と食品法で規定されているのです。
乾燥物の分量は小麦粉100%に対し、最低60%は含まれていなければいけません。
これに満たないものは、シュトレンと名付けることができないのです。
他にも、「ドレスナーシュトレン(Dresdner Stollen)」は、ドレスデンで作られたシュトレンのみに許された呼び名。
ドレスデン以外で作られたシュトレンで、この総称を使いたい場合は、ドレスナー種のシュトレン(Stollen nach Dresdner Art)と呼ばれます。

わずかな質の違いにもこだわり、名前を大事にすることから、ドイツの人々がシュトレンをいかに大事にしているかが、かいま見れる気がしますね。

■成長する!?お菓子
パンがおいしいのはなんと言っても焼きたてで、時間がたつほどパサパサして味が落ちてしまいます。
一方、シュトレンはとても日持ちがし、常温で3ヶ月ぐらい持つものもあります。
もともと焼き上げてから、数週間~数ヶ月の「熟成」を経て食べるように作られているのがシュトレンの特徴。

バターや砂糖のたくさん入ったパウンドケーキなども、作った当日より数日たった方が熟成されて、触感や風味も良くなり、ずっとおいしくなりますよね。
これは、卵や砂糖には水分を抱え込むという作用があるからなのです。

温度変化の少ない低温の場所で静かにゆっくりと熟成させることにより、舌触り、風味、色などもぐんとよくなります。
適度な湿度、温度、時間。
この3条件を満たしてはじめて、よい熟成となるのです。
言ってみれば、シュトレンはおいしく成長するお菓子。
砂糖の甘味の浸透に加え、洋酒の浸透で甘味自体がまろやかになっていき、生地とスパイスやレーズンなどの材料の風味とがゆっくりと一体化して、ますますおいしくなっていくのです。

日々成長していくシュトレンの味わいが最高潮に達したとき、1年で一番盛り上がるクリスマスを迎えるなんて、ちょっと素敵な習慣だと思いませんか?

■あたたかなクリスマスを!
ドイツのクリスマスは、寒さは厳しいですが、どこか素朴であたたか。
それは食べ物にも言えそうです。
シュトレンと同じくクリスマスに欠かせないが、グリューワイン。
グリューワインとは、ワインにスパイスやオレンジ(場合によってはレモン)、砂糖を入れ、温めて飲むワインですが、シュトレンとの相性もぴったりです。
お互いにスパイスをたっぷり使っていることもありますが、発酵や熟成といった作り方もよく似ています。
それにどちらも「子ども」のように成長し、とても手間がかかる食べ物。

作業をていねいにこなす職人の親心のような思いを感じながら、ひと切れ、ひと口ずつ大切にいただきたいものです。
(ただし、甘いグリューワインと砂糖やバターたっぷりのシュトレンの組み合せは超高カロリー。食べすぎにはご注意!)

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凍てつく冬には、人々が集い、寄り添って温かいものを囲む。
冬の寒さにも感謝したくなるような、そんなあたたかなクリスマスをシュトレンと過ごしてみてはいかがでしょうか?

シュトレン1.png

---第3回 五感サロン Salon des muses Tokyo 終了しました!---
12月5日(土)に行われましたSMTは無事に終了いたしました。
ヨーロッパのクリスマス気分をサロンの中で少しでも感じていただけたでしょうか?
ご来場いただきましたみなさま、どうもありがとうございました!

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