• 2009-09-06 23:28:47
  • にっぽんの食文化 -豆腐の百変化 編-
豆腐のバリエーションは本当に様々。
そこから微妙な味わいの違いを楽しみ、それを愛してきた私たちの豆腐文化をかいま見ることができます。
今回は豆腐の七?いえ、百変化と料理のリズムの関係を見てみたいと思います。

* * * * * *

■ 豆腐百変化
豆乳、ゆば、おから、寄せ豆腐、木綿豆腐、焼き豆腐、揚げ豆腐…
前回のブログから紹介していますが、豆腐は製造行程で様々なものに変化していく、とても魅力的な食材です。
また、同じ豆腐でも調味料によって味わいも全く違うものになります。
さらに生はもちろん、煮る、蒸す、茹でる、焼く、揚げるなどの豊富な調理法によって七変化ならぬ、「百変化」していきます。
江戸時代には「豆腐百珍」という豆腐の調理法が書かれたレシピ本が大ベストセラーになったそうですが、現在もそれは変わらぬ人気を誇っているどころか、
現在も新しいレシピは増え続けています。
豆腐は昔から変わらず、ずっと日本人に愛されてきた食べ物なのですね。

■ 脇役から主役まで!豆腐はまさに名優
普段は脇役のイメージもある豆腐ですが、豆腐のみを使った会席料理もあるほど、料理の初めから終わりのどこの流れにあっても、「百通り」の役目を果たすことができる優れた食材です。
たとえば、お酒を楽しむための会席料理では、夏場はこんなふうに登場します。

【先付】:お酒の肴季節にちなみ、趣向をこらしたもの→季節の食材を乗せたさっぱりとした胡麻豆腐や寄せ豆腐など
【向付】:刺身→生湯葉のお造り
【煮物】:野菜の煮付けなど→季節の野菜の豆乳鍋
【焼物】:焼魚など→木綿豆腐を使った味噌田楽
【揚物】:天ぷらなど→飛竜頭、揚げ豆腐
【ご飯・香の物】
【止め椀】:味噌汁→絹ごし豆腐の味噌汁
【水物】:デザート→豆乳のシャーベット

などなど…。
豆腐が様々な役割を持つのは、シンプルな素材だからこそ、どのような調理や調味料とも調和することと、個性豊かな食感、そして目でも舌でも楽しめる美しさなどがあるからでしょう。

絹ごし豆腐のように、ふるふると柔らかくはかない姿から、
味噌田楽のように角もしっかり立つような強さも持っていて、
さらには、豆乳のように食材全てをまろやかに仕上げる深さも持っている…
まさに豆腐は名脇役から主役までこなす名優と言えるのではないでしょうか?

■ 料理のリズム、そしてバランス
会席料理に豆腐が良くあうのは、名優だから。
別の言葉で言えば、和食のリズムやバランスと上手に調和する食材だからだと考えられます。
リズムやバランスは、味の流れや素材の旬などによって生み出されるもの。

春は、彩りに満ちた目に鮮やかなものや、香り高いもの。
夏は、あっさりとした爽やかなもの。
秋から冬にかけては、深くコクのある風味のあるもの。

和食は、素材の“走り”“旬”“名残”といった自然との一体感の中で成り立っているものです。
また、調味料の変化によって、味覚を飽きさせない味付けも重要です。
和食には、「五味五感」が大切だとも言われていますよね。
五味とは甘、酸、鹹、苦、辛のこと。
五感は見た目の美しさ、香り、歯ざわり、感触、熱い冷たいといった感覚のこと。
プロの料理人は、料理の中にそうしたものを巧みに取り入れ、食の楽しみを最大限に演出しています。

こんなふうに見ていくと、豆腐は「五味五感」を表現するに、もってこいの食材なのかもしれません。
それはまるで、真っ白で自由なキャンパスであり、楽譜のようなものにも感じられます。

* * * * * *

日本の四季や恵みに感謝し、大切にいただく、心満たされる食事のひととき。
豆腐の自由自在な変化とは、そんな想像力や創造力を刺激するような素晴らしい経験をかき立てるものなのかもしれません。

では、そんな素晴らしい経験とは具体的にはどんなものでしょうか?

次回は、豆腐が創る食文化のかたちについてレポートします!

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