• 2009-07-06 01:15:12
  • 身近な地域性 -京都・しきたり観 編-
7月に入り、京都の夏が始まっています。
そこは身近でありながら奥が深い魅力があるようです。
今回のブログは和の都市、京都の話題です。

* * * * * *

■ 京都に魅せられるもの
桜の季節、お祭りの季節、紅葉の季節、湯どうふがおいしい季節。
日本の四季や日本の伝統に浸りたいと思うとき、ふと京都に訪れたくなる人もきっと多いはず。
歴史的な建造物や景観の整った街並み、特色ある年中行事、独特のことば遣い、洗練された伝統的な衣装、土地にあった料理や調理方法など…数えたらきりがないほど、京都には魅せられる理由があります。

京都は平安京以来、日本の政治、経済、文化の拠点を担ってきた街。
歴史的に京都文化=日本文化を成立させてきた、いわば和の都市です。
一方、信長・秀吉・家康などが京都を支配することに執着したように、京都は朝廷、公家、神社仏閣等の宗教、幕府によって権力構造を変えられてきた激動の都市でもあります。
商人や町人の経済活動の一部も、江戸時代の終わりまで公家や所司代の管理下に置かれていました。
京都の文化は、そんな朝廷や公家、神社仏閣、時の幕府の威厳を示すために、形式や儀式などの「しきたり」によって形成されてきた背景を持っています。
貴族社会や神社仏閣も、社会の政変によって経済的基盤が変動を受けやすく、豪華絢爛な生活がいつまでも続かないことを経験してきたのです。
そのために、見た目の派手さではなく素材の価値に重きを置き、一見、しきたりにかなった質素を演出する生活を維持してきたと言われています。

京都の魅力溢れる歴史や伝統は、ある意味ではしきたりによって守られてきたとも考えられます。
街全体が、気品と誇りを漂わせているような感じがするのは、質素倹約のしきたりの中で熟成された、感性が息づいているからかもしれません。

■ 京都のしきたり観
しきたりとは、ある社会に共通してみられる行動様式を基礎にして成立した社会規範のことです。
最近では堅苦しい、面倒くさいという思いから、とくに都市部などで過剰なしきたりを気にしない場面も増えてきていますが、京都の人々は、地縁的なしきたりを大切に守っていると言われています。
それは、お互いがしきたりを守ることで、個人生活では一線を画し、一定レベル以上立ち入らないという、成熟した市民性を持っているからです。
厳粛な儀式でのしきたりだけではなく、日常生活でも、いくら親しくなっても他でみられるような奥座敷まで上がりこむといったことはないそう。
自分らしさを持ちつつ他人を傷つけない、ほどよい距離感を保つための緩やかな社会的なルールが身に付いているのかもしれません。
しきたりは、相手にいやな思いをさせないようにしたり、自分だけでなく相手に恥をかかせたりしないために存在しているものだと熟知しているのでしょう。
現代でも京都は文化が交わる拠点。
日本全国だけでなく世界各国から観光客が押し寄せ、常に他人を意識しながら生活しています。
古くから大事にされてきた京都流のふるまいとは、現代の国際感覚に求められている感性とも共通するのではないでしょうか。

■ 京都は十代かかってわかるもの?
とは言っても、代々受け継いできた風習やしきたりを守るのは、容易なことではありません。
毎日の所作として身につけ、伝承していかなければ京都の生活の知恵は会得できないのでしょう。
「京都十代,東京三代,大阪一代」というたとえもあるように、土地の人間になりきるのは東京は三代、大阪は一代かかるのに対して、京都は十代もかかるほど奥が深いのです。
これは、東京や大阪が新しいものを次々と生み出す消費の文化であるのに対し、京都は古いものを後世に残していく蓄積の文化であるからだと考えられています。
捨てずに受け継いでいくには、それを理解し、手入れし、整理していかなければいけません。
ある伝統的な町屋の住人は、建物を修理するための莫大な補修費用もさることながら、技術者の確保すら難しくなってきていると話していました。
また、変化する社会に伴い、しきたりと柔軟な対応とのジレンマも日々感じているのだとか。
誇り高い街が持つ、そのような痛みは傍観者ではとてもわからないものです。
地域性はその場の空気を吸って、五感から感じられるものではありますが、それが豊かで奥が深いほど、様々な側面をじっくりと理解していかなければ、その魅力を本当に堪能することは難しいのかもしれないですね。

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京都の地域性は時代や国境を超えて、注目を浴び続けています。
日本文化の一部として、京都の人々のしきたり観にも思いを馳せたいものです。

京都.jpg

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