• 2009-06-28 07:25:53
  • 身近な地域性 -ご当地の味覚 編-
前回のブログ「今だから見直したい地域性とは?」でも触れましたが、食べ物の好みは年齢や育ってきた環境によって大きく影響されます。
その他にも、その地域に根付いてきた食環境が私たち個人の嗜好性に関係しています。

* * * * * *

■ 地域の嗜好性
関東と関西で味付けが違うという話は有名ですよね。
この理由のひとつには,歴史的な背景があります。
日本独自の文化が円熟していった江戸時代、徳川家康が江戸幕府を開くまでは江戸は田舎でした。
この時代、江戸の住民のほとんどは農民で、武士たちも普段は農業に従事していました。
農業のように身体を駆使するとたくさんの塩分摂取が必要になります。
こうした背景から,関東では濃い味付けとなったのではないかと考えられています。
また、対照的なのは京都や大阪。
京都は8世紀末頃から政治文化の中心地でしたし、大阪は地便性を活かした商業都市でした。
こうした土地柄から、関西の料理の味付けは自然に薄味が主流となったのだと考えられています。
その他、様々な条件によって味付けの仕方は一様だとは言えませんが、東西を比較するだけでもその土地を代表する味が受け継がれていることがわかります。

■コンビニおでんのつゆ
東西で味付けが違うことと同じように、コンビニのおでんのつゆが各地で違うのも有名な話です。
店舗によっては1年中おでんが販売されるコンビニ。
最近はますます味付けにバリエーションが増えてきたようです。
あるコンビニでは以前はおでんのつゆの味は関東、関西の味くらいでしたが、今では様々な味の地域性を出しています。
たとえば、味の地域性はこんな感じに分けられます。

□ 北海道の味…旨みが強くまろやか
□ 東北の味…香ばしさ,旨みと香りが強い
□ 関東の味…強い香り
□ 中部の味…やわらかくマイルド
□ 近畿の味…上質な旨みと家庭の味
□ 中四国の味…強い旨み,甘みとコク
□ 九州の味…甘くて濃厚な味
□ 沖縄の味…はっきりした旨みとコク

これらは地元の特産物を使用したり、だしの素材や糖度や塩分のバランスを変えたりして、その土地特有の嗜好性に合わせて味付けがされているそう。
全国展開しているコンビニですが、このような流れを見てみると、地域性を積極的に取り入れていることがわかります。
他の土地との差別化や、その地域の人に好まれる味であることが、画一的なイメージの強いコンビニに独自性や愛着を与えるきっかけになるのかもしれません。

■ コンビニの微妙な違い
コンビニの地域性は、おでんのつゆ以外にもちょっとしたところにあります。
石川県や富山県では、おにぎり風のますの寿し。
福井県では、冬でも水ようかん。
愛知県では、冷やし中華にマヨネーズとからし。
その他、思わぬところで地域性が出てしまうことも。
たとえば、店員やお客さんとのコミュニケーション、ことば使いやアクセントに地域性を感じることもあります。
これらは、自分の住んでいる場所や育った場所から離れたところでより感じることが多いと思います。
自分たちの地域性は、色々なものを体験したり比較したりした後に改めて気づくものなのでしょう。
そもそも家庭の味や地域の味は、歴史的な背景や気候や風土などが育んだ素晴らしい独自の文化の一つ。
それらを自分たちが受け継いでいるという事実に誇りを持っていたいものです。

* * * * * *

今回は、地域に根付いてきた食の再評価が、コンビニという身近な場所でもすすんで行われているのを紹介しましたが、この傾向は食環境にとどまりません。
次回は、別の地域性を取り上げてご紹介したいと思います。

おでん.jpg

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