• 2008-04-01 01:41:45
  • 「桜らしさ」のコツ
春を告げるように、里で、河辺で、公園で、街中でー

あちこちで一斉に桜が咲き出しましたね。
街にも「桜」と名付けられた期間限定商品が、お店のあちこちで咲き誇っています。

桜は、心に潤いをもたらすような官能的な商品に使われることが多いようです。
ワクワク、ドキドキするような気持ちを「桜のイメージ」を上手に使って、商品に加えているのでしょう。

では、桜のイメージとはどんな「桜らしい」色で表されるのでしょうか?
今回は色彩心理からそうした「桜らしさ」のコツをのぞいてみましょう。

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たとえば、桜餅や桜色のわらび餅、シフォンケーキやシュークリーム、桜をイメージした焼酎やワイン、桜の香りの芳香剤や入浴剤、桜がテーマの楽曲など…。
「桜」と名付けられた商品を見てみると、こんな色が多く使われています。

〈むらさきみのピンク〉 〈やわらかいむらさきみのピンク〉 〈ピンク〉

全体的に、桜の花には〈ピンク〉や〈紫〉系がよく見られます。
ピンクは「かわいい」「愛」「恋」などのロマンティックなイメージが、紫は「エレガント」「優しい」「柔らかい」などの優美なイメージがあります。
商品の説明文にも「やさしい」、「ほのかな」などの女性的な言葉がよく使われていることから、「桜」→〈ピンク〉、〈紫〉→「やさしい」、「ほのかな」、というイメージのつながりがありそうです。

しかし、実際の桜の花は〈ピンク〉、〈紫〉系とはいえ、はっきりとした色ではありません。
桜の種類や状態にもよりますが、「がく」は〈にぶいあかむらさき〉、「つぼみ」は〈うすいピンク〉、そして「花びら」はほとんど〈白〉に近い色なのです。 

本物の桜の色より桜商品の方がずっとカラフルなのは、私たちの頭の中の「記憶色」と関係があると考えられます。

記憶色とは、たとえば空の〈青〉、葉っぱの〈緑〉など、私たちにとってお馴染みのものを思い浮かべるとき、そこについている色のことをいいます。
この記憶色は、実際の色よりも明るさや鮮やかさが増し、色みもより一般的な色に変わってしまうことが多いのです。

頭の中の、空の〈青〉や葉っぱの〈緑〉は、本物よりも明るく鮮やかで、色みも一般的になってしまう、というわけです。
同様に、頭の中の桜の色も、本物よりも明るく鮮やか、一般的な色みに、つまり〈ピンク〉や〈紫〉として記憶されるのでしょう。

多くの桜商品に使われる色は、実際の桜の色とは違います。
しかしそれは私たちの記憶のはたらきを見越したカラーデザインだともいえます。
そうした色と、色の象徴的なメッセージといったまとまりが、「桜らしい」色を作り出すと考えられます。

春を告げる「桜らしさ」のコツは、現実とイメージの世界が共存する処にあるのかもしれません。

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〈まとめ〉
●桜は、心に潤いをもたらすような官能的な商品に多く使われます。
●記憶色は、実際の色よりも明るさや鮮やかさが増し、色みもより一般的な色に変わることが多いです。
●桜「らしさ」とは、現実とイメージの世界が共存する処にあるのかもしれませんね。


さくら茶.jpg
ワイン.jpg
桜餅.jpg

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